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「認知症の妻の介護に疲れた・・・」 ナイフで刺した疑いで83歳の夫逮捕

2015.07.26


83歳の夫が81歳の妻を刺した
神奈川県警松田署は7月19日、同県南足柄市塚原に住む男性(83)を、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。男性は無職の高橋久治(きゅうじ)容疑者で、19日午前9時半ごろ、自宅アパートで妻の節子さん(81)の胸を果物ナイフで刺した疑い。

19日午前9時25分ごろ、高橋容疑者は「これから妻を殺す」と自ら110番通報したという。警察官が駆けつけると、妻の節子さんは刃渡り約9.5センチのナイフで胸を刺されていたが、命に別状はなく、すぐに病院に搬送された。
「認知症の妻の介護に疲れた」
高橋容疑者は妻と2人暮らしで、「認知症の妻の介護に疲れた」と供述し、容疑を認めているという。

超 高齢社会を迎えようとしている日本では、高齢の夫婦のどちらか一方がもう一方を介護するという「老老介護」が増えている。介護疲れから殺人事件を起こすと いったケースが後を絶たない。最近では、認知症の高齢者を介護する高齢者自身も認知症を患ってしまうという「認認介護」もあるといわれている。

認知症のつれあいを介護するとなると、体力面ばかりか精神面においても追い詰められた状況になってしまう。さらに介護者が高齢である場合、まわりの人や行政に助けを求めたがらない傾向が強く、また求める方法がわからないという場合も多い。
地域の支えと見守り
83歳の容疑者が「これから妻を殺す」と通報したのは、閉塞した状況から発した必死の「SOS」であったのかも知れない。いつかは誰もが高齢者の一員になる。誰でも認知症の予備群になり得る。

核家族化が進む中、「老老介護」「認認介護」がますます増えていくのは目に見えている。高齢者の夫婦が孤立していかないためには、決して人ごとではないという自覚と地域の支え、あたたかい見守りが不可欠だ。